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2009年11月 5日 (木)

しろばんば

こんばんは。
朝晩冷え込む季節になりましたね。

晩秋の夕暮れ時、出会えるのを楽しみにしている虫がいます。
それは、白い綿のようなものをおしりにつけて飛んでいる虫、
「しろばんば」です!

091105

この家に引越してから初めての11月。
なんと、家の庭にもいるではありませんか!!
公園が近いこともありますが、都内の住宅地で出会えるとは

青味を帯びた白い虫が飛び交う様子を見ると、
なんとも幻想的で、幸せを感じます。
私だけでしょうか??

小学生時代に愛読書だった井上靖の『しろばんば』の冒頭には、
「夕方になると、決って村の子供たちは口々に“しろばんば、
しろばんば”と叫びながら、家の前の街道をあっちに走ったり、
こっちに走ったりしながら、夕闇のたちこめ始めた空間を綿屑
でも舞っているように浮游している白い小さい生きものを追い
かけて遊んだ」とあります。

その情景にはじめて出会えたのは、学生時代に論文の対象地
だった里山、鎌倉市の広町緑地で、それはそれは感激したのを
今でも覚えています。

正体はというと・・・
「トドノネオオワタムシ」でアブラムシの一種なんです。
俗称は、北海道では「雪虫」、伊豆では「しろばんば」など、
地方によって様々な呼び方があるそうです。
夏~秋にかけてはトドマツなどの根に、冬~春にかけては
ヤチダモ類の葉に寄生し、お引越しの光景に出会えた訳です。

アブラムシは、日本だけでも約700種類もいるそうです。
野菜につくアブラムシの他にも、いろいろな種類が
いるのですね。

何気なく飛び交っている虫に気をつけてみませんか。
まだ見たことない人も「しろばんば」に会えるかもしれませんよ。
ちょっとした自然の存在の大切さを気付かせてくれる出来事でした。

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